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腰痛における中枢性感作
先日院内で開催された腰痛の講義を受けて、その中でも面白いと思った内容についてコラムにしていきたいと思っています!
担当は根津です!
(恒例の長文だゾ!)
今回のコラムの内容は
「中枢性感作」
なにそれ?ってなりますよね。
僕も初めて聞きました。
中枢性感作をとても簡単に定義するとしたら
・ちょっとの刺激でも痛い
・本来は痛くない刺激でも痛い
要するに、痛みにとても敏感な状態だそうです。
脳の誤作動、とでも表現しましょうか。
それではなぜ脳の誤作動が生じてしまうのか!?
また誤作動が起こるメカニズムとは!?
今回のお題目はこの3つです!
1.脳の誤作動が起きる理由
2.親切心は腰痛のエサ
3.認知運動療法とプラセボ
1.脳の誤作動が起きる理由
どうして痛みに敏感な状態になってしまうのか。
結論は考え方の悪循環が繰り返されることで脳の誤作動(痛みの悪化)が生じると考えます。
もう少し掘り下げると、腰を痛めた時に、腰痛は病気ではなくケガだから治るものと不安が少なければ軽快・回復しやすくなります。
しかし腰痛を過大評価し不安や恐怖が強くなってしまうと破局的思考(スーパーネガティブ)になり、痛みのことばかり考えてしまうようになります。
結果痛みに対して恐怖がつのり回避行動をとるようになります。
簡単にまとめます。
怪我をして痛い→破局的思考(スーパーネガティブ)→不安・恐怖→回避行動(動かさなくなる)
動かさなくなることによって神経に栄養となる酸素の供給が絶たれ、神経自体が過敏な状態となります。
回避行動→より痛くなる→破局的思考→不安・恐怖→・・・・
とても分かりやすく悪循環しますね。
これ、腰痛だけではなく四十肩や五十肩でも該当します。
その人の考え方や性格、腰痛に対する
驚異的な情報(ガンや血管破裂で死ぬこともある)
などによって疾病を過大評価し過ぎることによって生じる脳の誤作動が
「中枢性感作」
の正体です。
2.親切心は腰痛のエサ
それでは問題!ヘブン♪
※朝の連続テレビドラマ小説「ばけばけ」より抜粋
Q1あなたは次の訴えにどうリアクションしますか?
「腰がすごく痛い」「腰が痛くて動けない」
例1)そうなんですね。腰痛いですよね。大丈夫ですか?私に何か出来ることはありますか?
例2)動けないのはつらいですよね。拝見していてもとても伝わります。
はたして皆さんはどちらを選びますか?
ちなみに僕は講義を受ける前は例1でした。
「大丈夫ですか?」などの声がけで気遣いもできて優しそう!みたいな。
こんな丁寧な前フリなので分かっている方もいると思いますが例1のリアクションは相手の腰痛を育ててしまいます。
つまり痛みの過大評価につながりやすく腰痛が良くならないということです。
親切がダメなのか!?
相手はただでさえ腰痛に悩んでいます。
親切心=同情は相手が優しくしてくれると思い込み、頭を大切にしてしまう場合があります。
腰痛は治っていてもおかしくないのに、痛みに対する優しさを求めていつまでも痛みを大切にしてしまう可能性があります。
本当は良くなっているのに。
でもそんなこと疑うのも疑われるのも嫌ですよね。
だからそもそもこの状況を作らせないことが大切。
同情と共感は違うことを理解しないと相手が心理的に痛みから抜け出せなくなるということがお伝えしたかったことです。
同情はせずに共感に努める。(これからの根津)
3.認知運動療法とプラセボ
ではどうしたら脳の誤作動は治るのー?
1つご提案出来るものが「認知運動療法」です。
患部の痛みについて正確に認知してもらい、適切な運動を提案します。
運動において出来る、出来ないを理解し、過剰な不安や恐怖を取り除き痛くないという成功体験を積み重ねることが狙いです。
運動後、カラダの現状把握が出来たことで数分〜数時間中枢性感作が正常化するエビデンスもあります。
あともう1つは、プラシーボ効果って聞いたことありますか?
ラムネを見せて「これ〇〇に良く効くお薬ですよ」
と言って渡すと、本当に良くなっちゃう。みたいな(笑)
でもこれ本当にあるんですって!
悲しいことに僕たちがいくら治療技術を学んで、どれだけ努力しても、ラムネ一粒で解決してしまうかもしれないなんて。
脳の勘違いって面白いです。
ここまで脳の誤作動「中枢性感作」について語りましたが皆さんいかがでしたでしょうか!?
自分で痛みを過大に評価してしまう可能性もあれば周りからの反応で痛みを大切にしてしまう可能性もある。
はたまたラムネ一粒で解決してしまうことも。
今回は中枢性感作という面白珍しいテーマについてまとめました。
近日中にもう1本、腰痛に関するコラムを投稿予定しています。
ぜひそちらも楽しみにしていてください!
(またまた恒例の長文予定だゾ!)
- 2025.12.11












